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金融機関には、シャリア学者などと呼ばれる、イスラムの教義にくわしく金融も理解できる有識者で構成される委員会(シャリア・ボードなどと呼ばれます)が設置されており、その委員会が、ある取引がシャリアに照らして適格か否かを判断します。
逆に言えば、そうしたシャリア学者のお墨付きがなければ、イスラム金融とは呼べません。
ただし、その他の要因もイスラム金融の増加に影響を与えています。
イスラム圏では人口増加率が比較的高く、そして宗教を遵守する傾向が社会全体として強まっているため、潜在需要のパイが増えています。
また、さまざまなイスラム金融商品が開発されており、例えばイスラム債券や投資ファンドなどは著しく伸びています。
イスラム国において、どんどんイスラム金融機関が広がっていることも、市場の成長に大きく影響しているでしょう。
イスラム教徒だけが使うのですか。
明らかにNOです。
イスラム金融は、イスラム教徒(ムスリム)でなくても利用することが可能です。
地域や取引を限れば、ムスリムでない人々の方が多いような事例さえあります。
非ムスリムがイスラム金融を利用するのは、主として、経済合理性による理由が大きいでしょう。
例えば、イスラム金融の方が儲かる、イスラム金融方式で資金調達した方がコストが安い、といったような場合があります。
いつもイスラム金融の方が良いわけではありませんが、良いかもしれないという期待の部分で、イスラム金融で取引する人もいます。
やはりサウジアラビアなどの中東地域で主に用いられているのですか。
中東地域で盛んなことは間違いありませんが、東南アジアのイスラム圏であるマレーシアやインドネシア、ブルネイでもイスラム金融は伸びています。
とくにマレーシアは、トップクラスのイスラム金融先進国と言えるでしょう。
パキスタンや北アフリカなどのイスラム諸国でもイスラム金融は利用されています。
また、ロンドン、シンガポール、香港といった非イスラム圏でも、官民挙げてのイスラム金融への取組姿勢がみられています。
先に述べた、イスラム教徒でなくとも取引することができる、ということが大きく影響しているでしょう。
アメリカやイタリア、フーフンスなどにもイスラム金融があります。
人口の一部をムスリムが占めるため、ムスリム向けの金融サービスのニーズがあるからです。
こうした国の動きも、今後注目されることになるでしょう。
世界全体では、和か国くらいにあるのではないかと言われています。
イスラムを始めた預言者ムハンマドの時代から続いているのでしょうかA、必ずしもそうとは限りません。
実際に、ムスリムであっても、有利子の普通の金融を日常的に使っていることもあります。
まず、イスラム国においても、たくさんの普通の銀行(利子つきで預金や貸出を行う銀行)があり、利子の受払いは日常的に行なわれていることが多いです。
歴史的な経緯もあって、普通の銀行システムがしっかりと確立されているからです。
ムスリムの側からみた場合、いろいろな人がいるということも影響しています。
必ずイスラム金融を使いたい人もいれば、コストやリターン次第でという人もいます。
普通の銀行を使っていればよいという人もいままた、次の質問への回答で述べますが、イスラム金融の歴史は浅いため、イスラム金融機関の普及度はそんなに高くありません。
利用者にとっては利便性の点で課題があることとなり、イスラム国においても、まだまだ利子つきの銀行が多いのが現状です。
イスラム教徒の人は皆イスラム金融を使うんですよね。
イスラム金融の起源を、商人であった預言者ムハンマドの時代とみる学説もあるようですが、イスラム金融としっかり認識されるようになったのは、1960から70年代のことです。
従って、その指摘は正しくありません。
実際にはまだ30年余りしか経っていないということになります。
イスラム金融の起源はいくつかの説がありますが、1960年代のマレーシアやエジプトの例、1975年のドバイの例などが一般的でしょう。
和年代後半から帥年代にかけては、エジプトを含む中東周辺地域で、次々とイスラム金融機関が設立されました。
その多くは、現在も活躍しているものです。
なお、前の質問での回答で述べたように、イスラム国においても、まだまだ利子つきの銀行が多いのが現状ですが、これには、イスラム金融の歴史が浅く、まだ十分に普及していないことも影響しているでしょう。
今後イスラム金融が成長していくにつれ、イスラム国ではイスラム金融の方が大きくなる可能性もあると思われます。
アラビア語が分からないのですが。
イスラムの基本はアラビア語です。
聖典コーランはアラビア語で書かれており、コーラン(クルアーン)の意味は「読諦するもの」ということです。
アラビア語で読謂しないと、その美しさは分からないと言われています。
というより、アラビア語で書かれたものだけを「コーラン(クルアーン)」と呼ぶのであり、翻訳されたものはコーランとは呼びません。
それほどまでに、アラビア語とイスラムは深い関係にあります。
しかし、イスラム金融の場合はこの限りではありません.アラビア語の専門用語がたびたび出てくるため、できた方が良いことは事実ですし、いろいろなことが理解しやすいでしょう。
ただ、イスラム金融では世界的にみれば英語の方がむしろ一般的に用いられています。
中東のバンカーや学者の人も、英語を話します。
アラビア語も重要ですが、英語も重要なのです。
実際に私も、アラビア語は分かりません。
さて、これでイスラム金融とはどういうものか、ごくざっくりとお分かりいただけたかと思います。
次から、イスラム金融を巡る現状と見通し、イスラム金融取引の仕組みや事例について紹介していきます。
日本でもイスラム金融はできるのですか。
YESの部分もあり、NOの部分もあります。
業態やその対象となる法体系によっても、大きく異なるでしょう。
銀行法の定めにより、日本ではイスラム金融ができにくいと思われている面もあります。
この定めに関連して、現在法体系を変えている段階であり、2008年末までには整備される予定です。
ただし、現在の法律のもとでも、いろいろな業態の人がイスラム金融に取り組むことができます。
証券会社、投資会社、リース会社、商社等、法律上で問題になる点は見当たりにくいです。
あまりイスラム金融の実績事例がないのは、まだまだ情報不足で篇膳している面があるからではないでしょうか。
イスラム金融は、日本でも金融界を中心としてすでに一定の理解を得た。
書店の店頭にはイスラム金融に関する書籍が並び、金融機関や情報会社等によるセミナーもそこかしこで開催され、経済雑誌のみならず民放テレビなどでも、イスラム金融に関する特集が組まれるようになっている。
日経新聞では、マレーシアや中東などのイスラム金融先進各国や非イスラム圏の動き、そして日系企業の取り組みなどがたびたび紹介され、イスラム金融関連の新聞記事数は増加の一途を辿っている。
イスラム金融はまさに国際金融の新たな潮流であり、その波はわが国へも押し寄せている。
こうした関心の高さは、私が教鞭をとる早稲田大学大学院ファイナンス研究科での「イスラム金融」の講義を通じて、日頃から身近に感じている。
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